主婦のためのやさしい仮想通貨と投資入門|第1章 投資がこわいのは、知らないことが多いから

仮想通貨・投資入門

『主婦のためのやさしい仮想通貨と投資入門』
少額・積立・税金・手数料・詐欺対策まで、40代初心者でもわかるお金の基本

第1章:投資がこわいのは、知らないことが多いから

1.1 「私には投資なんて無理」と思っていませんか?

「投資に興味はあるけれど、なんだか怖い」

そう感じたことはありませんか?

ニュースを見れば「価格が大きく下がった」という話を聞き、SNSを開けば「こんなに増えた」という投稿が流れてきます。仮想通貨という言葉を調べてみても、聞き慣れない専門用語が次々と出てきます。

これでは、「私には難しそう」と感じても不思議ではありません。

43歳の専業主婦、美咲もそうでした。

家計を預かる立場だからこそ、お金を増やすことには興味があります。子どもの教育費や、夫婦の老後のことを考えると、「今のままで本当に大丈夫かな」と思うこともあります。

けれど、いざ投資について調べ始めると、分からない言葉ばかりです。

「損をしたらどうしよう」
「だまされたらどうしよう」
「そもそも、何から勉強すればいいの?」

そう考えているうちに、美咲はそっとスマートフォンを閉じてしまいました。

もしかすると、あなたにも似た経験があるかもしれません。

■ 怖さの正体を小さく分けてみる

ここで一度、「投資が怖い」という気持ちを細かく分けてみましょう。

本当に怖いのは、投資という行為そのものでしょうか。

よく考えてみると、

「お金が減るかもしれない」
「仕組みが分からない」
「変なサービスを選ぶかもしれない」
「税金が難しそう」
「詐欺に遭うかもしれない」

このように、いくつもの不安が重なって「怖い」という大きな気持ちになっていることがあります。

反対に考えれば、一つひとつの不安について知識を増やしていけば、「何が怖いのか分からない」という状態から抜け出せます。

もちろん、知識を身につけたからといって、投資のリスクがなくなるわけではありません。

大切なのは、怖さをゼロにすることではなく、自分が何を分かっていて、何をまだ分かっていないのかを把握することです。

■ 最初から詳しくなる必要はない

料理を始めるとき、最初からすべての食材や調理法を覚える必要はありません。

まずは包丁の使い方を知り、次に火加減を覚え、少しずつ作れる料理を増やしていきます。

お金の勉強も、それとよく似ています。

最初からチャートを読めなくても構いません。難しい専門用語を全部説明できなくても大丈夫です。

まずは、「投資とは何か」「どんなリスクがあるのか」「自分はいくらまでなら無理なく考えられるのか」といった基本から始めればよいのです。

知らないことがあるのは、恥ずかしいことではありません。

知らないまま大きなお金を動かすことのほうが、注意したいことなのです。


1.2 家計を守る主婦だからこそ、慎重でいい

毎月の食費、光熱費、子どもにかかるお金、保険料。

家庭のお金を日々やりくりしていると、数百円、数千円の違いが意外に大きいことを知っています。

スーパーで少しでもお得な商品を比べたり、電気代を見直したり、予定外の出費に備えたりする。こうした経験は、決して投資と無関係ではありません。

むしろ、家計を守ってきた経験の中には、お金と向き合うための大切な感覚がすでにあります。

■ 慎重さは弱点ではない

由紀は46歳で、スーパーのパートとして働いています。

投資の話を聞くたびに、「私みたいに慎重な性格には向いていない」と思っていました。

ところが、ある日、自分が普段の買い物ではかなり慎重に判断していることに気づきます。

同じような商品でも価格を比べます。安いからという理由だけで大量には買いません。家族が本当に使うかどうかも考えます。

この「比べる」「必要性を考える」「無理をしない」という姿勢は、お金を扱う場面でも大切です。

投資という言葉を聞くと、思い切りのよい人や、大胆にお金を動かせる人のほうが向いているように見えるかもしれません。

しかし初心者にとっては、分からないことがあれば立ち止まり、納得できるまで確認する姿勢も重要です。

「よく分からないから、今日はやめておこう」

そう判断できることも、自分のお金を守る力の一つです。

■ 生活のお金と投資のお金を混ぜない

ここで、最初に覚えておきたい大切な考え方があります。

投資を考えるときは、毎日の暮らしに必要なお金を守ることが先です。

来月の家賃や住宅ローン、食費、教育費として必要なお金まで使ってしまえば、価格が下がったときに生活そのものが苦しくなる可能性があります。

「増えたらうれしいから始める」よりも前に、

「このお金が減った場合、わが家の生活は困らないだろうか」

と考える習慣を持ちましょう。

少額から考えることは、恥ずかしいことではありません。

一万円から始める人が偉くて、千円から考える人が劣っているわけでもありません。

家庭によって収入も支出も違います。

大切なのは、他人の金額ではなく、自分の家庭にとって無理のない範囲を自分で決めることです。


1.3 「増やしたい」という気持ちほど、いったん立ち止まる

投資について調べ始めると、どうしても目に入りやすいものがあります。

それは、「どれくらい増えたか」という話です。

大きな利益を得た人の話を読むと、「私も今すぐ始めたほうがいいのでは」と焦ることがあります。

反対に、大きく損をした人の話を聞けば、「やっぱり全部危険なんだ」と遠ざかりたくなることもあります。

けれど、どちらか一方の話だけで、自分の行動を決める必要はありません。

■ 他人の結果と自分の判断は別のもの

同じ投資対象でも、買った時期や金額、保有期間が違えば結果は変わります。

さらに、家計の状況も人それぞれです。

SNSで「これを買った」と発信している人がいたとしても、その人とあなたでは、収入も貯蓄額も家族構成も違うかもしれません。

だからこそ、「あの人が買ったから私も買う」ではなく、自分の条件に戻って考えることが大切です。

美咲も最初は、「みんながやっているなら、自分も早く始めなければ」と焦っていました。

しかし、一度立ち止まって考えてみると、実は自分が何のために投資をしたいのか、はっきりしていないことに気づきました。

老後のためでしょうか。

家計に少し余裕を持ちたいのでしょうか。

お金について勉強したいのでしょうか。

目的が違えば、考えるべき方法も変わります。

■ 分からない話には、その場でお金を出さない

初心者のうちは、「今だけ」「絶対に増える」「みんな買っている」といった言葉を見ると、取り残されるような気持ちになることがあります。

そんなときほど、その場で決めない習慣を持ちましょう。

家にある家電を買い替えるときでも、数万円する商品なら比較する人は多いでしょう。

機能を確認し、口コミを読み、家族に必要か考えてから買います。

それなら、自分の大切なお金を預ける場面では、なおさら確認が必要です。

何にお金を出すのか。

どんな仕組みなのか。

お金が減る可能性はあるのか。

どのような費用がかかるのか。

自分で説明できないときは、まだ決めなくても大丈夫です。

「分からないから調べる」という行動は、遅れているのではありません。

むしろ、自分のお金を自分で守ろうとしている証拠です。


1.4 投資の第一歩は「買うこと」ではなく「知ること」

投資を始めると聞くと、多くの人は最初に「何を買えばいいの?」と考えます。

けれど、この本では、そこから始めません。

最初の一歩は、買うことではなく、知ることです。

自分の家計を知る。

投資の基本を知る。

仮想通貨の特徴を知る。

費用を知る。

税金について知る。

危険な勧誘や詐欺から身を守る方法を知る。

この順番で、一つずつ整理していきます。

■ 今日できるのは一つだけでいい

ここまで読んで、「覚えることがたくさんありそう」と感じた方もいるでしょう。

でも、今日すべてを理解する必要はありません。

まずは紙やスマートフォンのメモに、次の一文を書いてみてください。

「私は、なぜお金について学びたいのだろう?」

答えは立派でなくて構いません。

「将来が少し不安だから」
「自分で自由に使えるお金を持ちたいから」
「家計のことをもっと理解したいから」
「いつか自分の力で収入を得たいから」

どれも大切な理由です。

この理由は、誰かに見せるためのものではありません。

迷ったときに、自分が最初に何を考えていたのかを思い出すためのものです。

■ お金を学ぶことは、選べる自分になること

投資を学んだからといって、必ず投資をしなければならないわけではありません。

学んだ結果、「今の自分にはまだ必要ない」と判断することもできます。

それも一つの立派な選択です。

反対に、仕組みやリスクを理解したうえで、「この範囲なら少し試してみよう」と考えることもできます。

大切なのは、周りに流されるのではなく、自分で考えて選べるようになることです。

その力は、投資だけに役立つものではありません。

家計を見直すとき。

新しい仕事に挑戦するとき。

自分で収入を得る方法を考えるとき。

情報を集め、比べ、自分に合うものを選ぶ力は、これからの働き方を考えるうえでも役立ちます。

この本で目指すのは、「投資で大きく儲ける人」になることではありません。

お金について「分からないから怖い」と立ち止まっていた状態から、少しずつ知識を身につけ、「私はこう考える」と自分の言葉で判断できるようになることです。

美咲のように、最初はスマートフォンを閉じてしまっても大丈夫です。

また開いて、一つだけ調べればいいのです。

その小さな積み重ねが、「知らない」という大きな不安を少しずつ小さくしてくれます。

では次の章では、その土台となる「お金を増やす」という考え方を整理していきましょう。貯金と投資は何が違うのか。リスクとは何なのか。ここを理解すると、これまでぼんやり見えていたお金の世界が、少しずつ整理されていきます。

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